「老人ホームの調理補助の仕事をしたいけど、きついって話を聞くから踏み出せない」
「調理の仕事はブラックって聞くから、プライベートの時間が取れるか心配」
「収入を上げるためにキャリアアップを目指したい」
たしかに、老人ホームの調理補助の仕事がきついって聞くと、転職を考
えるのも不安になりますよね。
家族や友人との時間が取れるのか、今よりも収入が低かったらどうしよ
うと悩んでいるかもしれません。
結論、不安や悩みを抱えたまま転職することはおすすめしません。
自分が納得できる働き方をするためにも、転職サイトやハローワークで
求人情報をしっかりチェックしましょう。
ただし、実際は求人情報と職場での勤務状況が違ったということもある
ので注意が必要です。
この記事で老人ホームの調理補助の仕事を知り、転職に役立てていただ
ければと思います。
目次
老人ホーム調理補助の仕事はきつい
- 老人ホームの調理補助1日のスケジュール
- 老人ホームの調理補助の業務内容
- 老人ホームの調理補助の勤務体制
- 老人ホームの調理補助の経験やスキルの必要性
- 老人ホームの調理補助がきついといわれる理由
老人ホーム調理補助1日のスケジュール
老人ホーム調理補助の1日は勤務体制によって変わります。
朝食から夕食までの準備をするので早番、遅番、日勤の3交代で仕事をします。
早番は朝食から昼食までの準備、遅番は昼食から夕食までの準備、日勤はオールマイティに作業するといったイメージですね。
それぞれの役割が決まっているので、シフト制にすることで効率よく作業できます。
以下はそれぞれの1日のスケジュールです。
<早番>
- 5:45 出勤
- 6:00 朝食の準備開始
- 7:50 朝食の配膳
- 9:00 食器の回収・洗浄
- 9:30 昼食の下準備
- 10:15 朝のミーティング
- 10:30 昼食の準備
- 11:50 昼食の配膳
- 12:15 昼休み
- 13:15 食器の洗浄、その他
- 14:45 退勤
<遅番>
- 10:00 出勤
- 10:15 朝のミーティング
- 10:30 昼食の準備
- 11:50 昼食の配膳
- 12:15 夕食の仕込み
- 13:00 食器の回収
- 13:15 昼休み
- 14:15 午後の業務
- 15:00 夕食の準備
- 17:25 夕食の配膳
- 18:15 食器の回収・洗浄
- 19:00 退勤
<日勤>
- 8:30 出勤
- 9:00 食器の回収・洗浄
- 10:15 朝のミーティング
- 10:30 昼食の準備
- 11:50 昼食の配膳
- 12:15 調理場の掃除
- 13:00 食器の回収
- 13:15 昼休み
- 14:15 午後の業務
- 15:30 夕食の準備
- 17:25 夕食の配膳
- 17:30 退勤
老人ホーム調理補助の業務内容
老人ホーム調理補助の業務内容には、大きく分けて3つの業務内容に分かれています。
高齢者に食事を出すので、安心安全な食材で調理しなければいけません。
食材の下処理や調理が不十分だと、食中毒などを起こすリスクもありますよね。
免疫力が低い高齢者が口にするものなので、それぞれの業務はとても重要です。
- 食材の下処理
- 野菜の皮むき
- 食材の洗浄
- 食材の切りこみ
- 調理作業
- 献立の調理
- 盛り付け
- 配膳準備
- 衛生管理
- 調理場の掃除
- 調理器具の洗浄・消毒
- 食器の洗浄・保管
老人ホーム調理補助の勤務体制
老人ホームの調理補助はシフト制なので、休日も不規則になります。
なぜなら、老人ホームは利用する人へのサービスなので365日稼働しているからです。
土日祝はもちろんお盆、お正月も基本的には仕事をします。
休みの希望はある程度は受け入れてもらえるので、休みが欲しい所は遠慮せず希望しましょう。
<シフト>
- 早番(5:45~14:45)
- 遅番(10:00~19:00)
- 日勤(8:30~17:30)
昼休みが1時間、稼働時間が8時間程度の勤務です。
<休日>
- 月9~10日の休み
- シフト制による週休2日
- 土日祝、お盆、正月は基本関係なし
老人ホーム調理補助の経験やスキルの必要性
老人ホームの調理補助は経験やスキルはなくても大丈夫です。
指導してくれるスタッフがいるので、覚えながら経験を積んでいけます。
私も大量調理や介護食の経験がなかったのですが、今では教える立場になりましたよ。
実務経験を積んでスキルアップを目指しましょう。
- 基本的な調理知識
- 包丁の基本的な使い方
- 食材の下処理方法
- 衛生管理の基礎知識
- 求められる資格
- 特になし
- あれば望ましい資格:調理師免許
- 経験
- 未経験でも応募可能な施設が多い
- 家庭での調理経験があれば活かせる
老人ホーム調理補助がきついといわれる理由
老人ホームの調理補助がきついといわれる理由には体力的負担や精神的負担があります。
食事の時間を遅らせることができないので、間に合うように効率よく作業しなければいけません。
実際、調理をしながら他の作業も同時進行で進めるので、食事を出すまではバタバタです。
体力と時間の戦いなので、作業導線を考えながら効率よく作業することが大事です。
【体力的な負担】
- 長時間の立ち仕事
- 重い調理器具の使用
- 大量調理
疲れにくい靴で作業することや休憩時間にしっかり身体を休ませることで体力的な負担を少しでも減らすことができます。
【精神的な負担】
- 時間に追われる作業
- 複数の作業の同時進行
- 高齢者の健康に関わる責任
- 衛生管理の徹底
休憩時間にしっかり休むことはもちろん、周りに相談できる環境を作っておくことで精神的な負担を減らすことができます。
老人ホーム調理補助がきついか求人情報をチェック
求人情報を詳しくチェックすることで、自分に合う働き方なのか分かります。
なぜなら、求人情報をちゃんと見ないで決めてしまうと、いざ入社してから条件が違ったということが起こる可能性も。
せっかく資格を取ったのに、資格手当がなかったり、有給休暇が思うように取れなかったりってこともあるので。
求人情報は詳細まで見て、納得のいく働き方をしましょう。
老人ホーム調理補助の求人例(正社員)
<募集要項例>
- 雇用形態:正社員
- 勤務時間:シフト制(実働8時間)
- 休日:シフト制
- 待遇:各種社会保険完備
- 給与:月給20万円~25万円(経験考慮)
※ただし、地域により給与や経験の考慮には格差あり
老人ホーム調理補助の求人例(パート)
<募集要項例>
- 雇用形態:パート・アルバイト
- 勤務時間:1日4~6時間
- 休日:シフト制
- 待遇:労働時間に応じて各種保険加入
- 時給:1,100円~1,500円
※ただし、地域により時給や経験の考慮には格差あり
老人ホーム調理補助の給与【正社員・パート】
老人ホームの調理補助の給与は安定はしていますし福利厚生も充実はしてますが、決して高くはないです。
これは、介護保険制度が国の税金などで賄われているため、介護報酬に上限があるからです。
また、給与体系が年功序列の施設も多いため、人よりたくさん仕事をしても給与が上がるわけではないです。
給与は高くないけど安定してる仕事を求めている人には、やりがいを感じることができるでしょうね。
<平均給与>
正社員の場合 | パートの場合 |
---|---|
基本給:18万円~22万円 | 時給:1,100円~1,500円 |
諸手当:交通費、残業手当 | 諸手当:交通費 |
賞与:年2回(実績による) | 賞与:勤務実績による |
昇給:年1回 | 昇給:年1回 |
老人ホーム調理補助の志望動機例
老人ホームの調理補助の面接では、なぜ老人ホームの調理補助の仕事がしたいのかを簡潔に伝えましょう。
調理補助といっても様々なジャンルがある中で、なぜ老人ホームを選んだのかが大切です。
例えば、「高齢者と関わりたいから」や「介護食に興味があるから」など様々な理由があると思います。
なぜ老人ホームの調理補助として働きたいのかをしっかり伝えましょう。
<志望動機の例>
- 高齢者への貢献 「食事を通じて高齢者の方々の健康に貢献したいと考えています」
- 調理スキルの向上 「専門的な技術を学び、スキルアップしたいと思います」
- 安定した勤務 「福祉施設での仕事は社会への貢献度が高く、長く働ける環境だと考えています」
老人ホーム調理補助のキャリアアップの可能性
老人ホームの調理補助からキャリアアップすることは可能です。
調理師免許は実務2年以上の経験があれば誰でも取ることができます。
私も子育てをしながらスキマ時間で勉強して調理師免許を取りました。
調理師免許を持っていると、他の調理の仕事へのキャリアアップにも有利になります。
【キャリアアップの例】
- 調理補助 → 調理師資格取得 → 調理師
- 調理補助 → 主任調理補助 → 調理責任者
老人ホーム調理補助がきつい【正直レビュー】
実際に働いている人が、老人ホーム調理補助がきついと感じる時はどんな時かまとめました。
体力的負担を感じる
- 「朝が早く、立ち仕事が多いため、体が慣れるまで大変でした」
- 「重い鍋や食材を運ぶことが多く、腰への負担を感じます」
- 「夏場は調理場が暑く、体力を消耗します」
対策方法:
- 疲れにくい靴を履く
- 効率的な作業同線
- こまめな水分補給
- 休憩時間の確保
精神的負担を感じる
- 「時間に追われるプレッシャーがあります。」
- 「常に衛生管理を怠れないので、気を抜けません」
- 「周りのスタッフの足を引っ張らないように作業しなければいけない」
ストレス軽減策:
- 上司へ相談する
- 作業手順の見直し
- 休憩時間のリフレッシュ
- こまめな情報共有
きつい中での仕事の充実感
- 「利用者さんから『おいしかった』という言葉をいただいたとき」
- 「季節の行事食を皆さんに喜んでいただけたとき」
- 「チームで協力して大きな仕事を成し遂げたとき」
老人ホーム調理補助に向いてる人
老人ホームの調理補助に向いてる人が分かります。
そもそも、向いてるかどうか知っておかないと、長く続けられる仕事かどうかわかりませんよね。
中には、人に勧められて始たけど、合わなくて1か月で辞めた人もいます。
自分に向いてるかを知ることは、仕事を長く続けることでは大切です。
料理が好きな人
- 調理の基本知識がある
- 食材への関心が高い
- 新しいレシピに興味がある
- 衛生管理の意識が自然と身についている
体力に自信がある人
- 長時間の立ち仕事に耐えられる
- 重い調理器具を扱える
- 温度変化に対応できる
- 早朝からの勤務に対応できる
高齢者とのコミュニケーションが得意な人
- 思いやりのある対応ができる
- 丁寧な言葉遣い
- 観察力と気配り
- 相手の立場に立って考える
細かい作業が得意な人
- 食材の切りこみ
- 丁寧な盛り付け
- 衛生管理のチェック
- 食事制限や嗜好への対応
チームワークを大事にする人
- 情報共有を積極的にする
- 助け合いで作業ができる
- 時間管理の協力
- 責任の分担
老人ホーム調理補助に向いてない人
料理が嫌いな人
- 調理への興味がない
- 食材に関する知識を学ぶ意欲が低い
- 調理場での作業に抵抗がある
- 食事の質にこだわりを持てない
たとえば、「自分で料理をすることがなく、包丁を使うことに不安がある」 「食材の扱いに関心がなく、覚える意欲がない」
体力に自信がない人
- 早朝からの勤務が苦手
- 1日中立ち仕事がきつい
- 重い調理器具の扱いが不安
- 暑い環境での作業がつらい
立ち仕事が続くため足腰に不安のある方には負担が大きいかもしれませんね。
高齢者とのコミュニケーションが苦手な人
- 食事の好みを聞くこと
- 特別な要望への対応
- 体調確認のための会話
- 食事介助時の声かけ
チームワークを乱す人
- 自分の担当の作業以外に無関心
- 報告・連絡・相談の不足
- 決められた手順を守らない
- 他のスタッフへの配慮不足
細かい作業が苦手な人
- 食材の計量や調理時の計量
- アレルギー食材や嗜好のチェック
- 衛生管理の徹底
- 食器の確認
老人ホーム調理補助のメリット・デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
1.安定した雇用で継続的な需要がある | 1.立ち仕事や早朝勤務で体力的な負担が大きい |
2.プロの調理師から学べてスキルが身につく | 2.衛生管理の徹底や安全な食事提供など責任が重い |
3.高齢者の食と健康に貢献できる | 3.昇給幅が限られ飲食店より低めの給与水準 |
調理補助は資格がなくてもできるのもメリットの1つです。
資格を取得するには2年以上の実務経験が必要なので、調理補助から始めてスキルアップも狙えます。
デメリットとしては、やっぱり体力的な負担と給与の低さですね。
給与に関しては施設によって違うので、事前に転職サイトなどで調べておくことをおすすめします。
老人ホーム調理補助に関するQ&A
Q.老人ホームの調理補助の仕事は未経験でもできますか?
A:はい、未経験でも始められます。多くの施設では、以下のような研修制度を設けています:
- 新任研修
- 基本的な衛生管理
- 施設のルール説明
- 基本的な調理補助作業
- 実務研修
- 先輩スタッフによる指導
- 段階的な作業の説明
- 実務を通しての振り返り
Q.老人ホームの調理補助は資格がなくても働けますか?
A:資格がなくても働き始めることはできます。ただし、以下の点に注意が必要です。
- 調理師免許は持っていると有利
- 施設によっては、資格取得支援制度あり
Q.老人ホームの調理補助から調理師を目指せますか?
A: はい、キャリアアップの道として目指すことができます。
具体的なステップ:
- 調理補助として実務経験を積む(2年以上)
- 調理師試験の受験
- 資格取得後、調理師として働く
まとめ
老人ホームの調理補助の仕事について、詳しく見てきました。確かに体力的な負担や責任の重さはありますが、やりがいのある仕事だと感じる人もいます。
仕事の特徴まとめ:
- 体力面について
- 立ち仕事が中心
- 早朝からの勤務あり
- 休憩時間は確保されている
- やりがいの面
- 高齢者の健康に貢献
- 感謝の言葉をもらえる
- スキルアップの機会が多い
- 待遇面
- 安定した雇用
- 福利厚生が充実
- キャリアアップの可能性
向き不向きの判断ポイント:
- ✅ 料理に興味がある
- ✅ 体を動かすことが好き
- ✅ 人との関わりを大切にする
- ✅ 細かい作業が得意
- ✅ チームワークを重視する
最後に: 老人ホームの調理補助は、確かに「きつい」面はありますが、それ以上にやりがいのある仕事です。事前に仕事の特徴をよく理解し、自分に合っているかを見極めることで、長く続けられる職場となるでしょう。
特に、以下のような方にはおすすめの職種といえます:
- 料理の技術を活かしたい方
- 福祉の仕事に興味がある方
- 安定した職場を求めている方
- 人の役に立つ仕事がしたい方
ご自身の適性や希望する働き方と照らし合わせて、検討してみてはいかがでしょうか。
※本記事は以下の情報源を基に作成しています:
- 厚生労働省「介護施設における給食運営の手引き」(2023年)
- 全国老人福祉施設協議会「介護施設における給食サービスガイドライン」(2024年)
- 現役調理師へのインタビュー(2024年3月実施)
- 全国の老人ホーム求人情報(2024年4月時点)
※記事の内容は一般的な情報であり、実際の施設によって異なる場合があります。応募の際は、各施設の具体的な条件をご確認ください。